太っているのは誰のせい?

 人は、自分で生まれて、そして自分で生きていく力をつけて、成長していきます。そして今のあなたがそこにあるのです。

 ところが、多くの人は、自分の体を、自分で作ってきたという意識が本当に薄いのです。 例えば、太った方が、自分が太らせたというよりは、“誰かに太らされた”という感じで、「先生、なんとかなりますか」と相談にみえます。でも、自分が太らせたのだから、自分で元に戻す以外にないのです。それなのに、他人に預けてしまう。腰が痛い、ひざが痛いという方も同じです。

 「どうして痛くなったのだろうか…、こういうふうにしてみると痛いのが良くなっていくのではないか…。」と自分の体について目を開き、しっかり見つめて考える知恵がないわけです。

 でも、私たちの体は、皆さんが思っている以上に、相当のところまで、自分の力でよくしていけるようにできています。ただそのことを知らないでいるだけなのです。

 ですから、体に意識をむけるということが非常に大事なのです。 今日、家でお風呂に入る前に自分の体を鏡に映してごらんになってください。『そうか、○○年かけて自分がつくってきた体はこういう体だったのか。』というふうに、しっかりと見ていただきたいのです。そして、『これから先は、ここをこういうふうに育てていきたい。』と思ってください。

 こうして自分自身としっかり向き合った時から自分育てが始まるのです。 これから先も、この体で生き抜いていくわけですから、自分の体にもっと愛情をかけてください。そして体を動かし育て続ける作業をし続けてください。それは、自分自身を見据え、自分に立ち向かうことです。すると当然のように精神(こころ)も育ってくるのです。そしてそれが「よりよく生きる」につながっていきます。