私たちは50年以上も前から「きくち体操」をやってきています。本当にたくさんの方々が教室に参加され、今はネットでの授業にも参加されています。
でもこんなことを言うのもなんですが、体操なんかしなくても、体に不都合が起きたりすることなく健康に寿命がまっとうできたら、こんな楽なことはないですよね。
残念ながら、現代に生きる私たちは、好むと好まざるとにかかわらず、意識して体を動かしていかないといけないんです。
なぜでしょうか。
江戸から明治になった頃のことを考えてみてください。今から150年ほど前です。当時の一般人にとって、例えばどこかへ行くには歩くのが普通でした。ニュースも天気予報もなく、何をするにもすべて自力で。機械に頼ることなく、知識と経験と五感をフルに使って生活していました。
そこ頃の人にとっての150年前も、500年前も、1000年前も大して変わりません。2000年以上前になると、人生を謳歌するとか趣味を楽しむどころではなく、本当に全力で「生きるために生きて」いたと思います。そしてそのことは、何万年遡っても変わりません。
ところが今から50年前、70年代のはじめ頃と今との違いはどうでしょうか。たった50年の間に世の中はとてつもない変化を遂げました。何もかも自動化・機械化され、情報は無料でいくらでも手に入り、体も脳もどんどん使わなくなってきています。
この大きな変化は、人類が今まで経験したことのないものです。その変化に、体も脳も追従できていません。それでボケてしまったり、体が動かなくなってしまったり、不具合続出です。
だからこそ、意識して体を動かし、脳がボケてこないように「頑張る」必要があるのです。健康に寿命を全うしたかったら、いやでもそこを頑張るしかありません。